
窯業系サイディングボードの構造と仕組み
2025/08/11
1. 窯業系サイディングとは?
窯業系サイディングとは、セメントを主成分に、木質繊維や無機物などを混ぜ合わせて板状に成形・硬化させた外壁材です。
日本の戸建住宅で最も普及しており、軽量・高耐久・デザイン豊富という特徴から新築からリフォームまで幅広く採用されています。
2. 基本構造
窯業系サイディングボードは、大きく以下の4層構造で作られています。
- 表面塗装層
- 工場で焼き付け塗装が施され、防水性・耐候性・色柄の美しさを確保。
- 光触媒塗装や無機塗装など、メンテナンス周期を延ばす高性能仕様もあります。
- 模様層(エンボス加工)
- 型押しやエンボス加工によって、タイル・レンガ・石積みなどの立体感ある模様を形成。
- デザインの幅広さは窯業系最大の魅力のひとつ。
- 基材層(ボード本体)
- セメント、けい酸質原料、木質繊維、補強材などを混合して成形し、高温高圧で硬化。
- 強度・耐火性・寸法安定性を持たせる中心部分。
- 裏面処理層
- 防水透湿シートや通気胴縁と組み合わせて施工するため、裏面は吸水防止処理が施されていることも。
- 裏面には製品規格やロット番号が印字される。
3. 製造の仕組み
窯業系サイディングは「押出成形法」または「流し込み成形法」で作られます。
製造の流れは以下の通りです。
- 原料混合(セメント+けい酸質原料+繊維質材料+添加剤)
- 成形(型に流し込む、またはローラーで押し出す)
- 加圧・高温養生(オートクレーブ養生で硬化)
- 切断・面取り加工
- 表面塗装・模様形成
- 最終検査・出荷
4. 通気構法との関係
窯業系サイディングは直張り工法と通気工法がありますが、現在主流は通気工法です。
- サイディング裏に空気層を設け、壁内の湿気を逃がす
- 防水透湿シートと組み合わせ、内部結露やカビの発生を防ぐ
これにより耐久性が大幅に向上します。
5. メリットと注意点
メリット
- デザインバリエーションが豊富
- 耐火性・耐候性が高い
- 比較的軽量で施工性が良い
注意点
- 塗膜が経年劣化すると吸水→基材膨張の恐れ
- 目地シーリングの劣化が防水性能に直結
- 定期的な点検・再塗装が必要(10年前後目安)
まとめ
窯業系サイディングボードは、セメントと繊維を高圧で成形し、表面に塗装と模様を施した高性能外壁材です。
耐久性・意匠性ともに優れますが、長寿命化には塗装とシーリングの定期メンテナンスが欠かせません。
構造を理解しておくことで、施工やリフォーム時の判断材料になります。
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